
純正のL字クラッチマスターシリンダーのリペアに使うため、流用できそうなロッドを適当に入手してみました。ドンピシャのロッド長のものが入手出来れば良いのですが、適当に買っていますからうまく当たりません。それでもまた良かったと思える事は、クレビスの穴とロッドの径については両方とも適合するタイプだった事でしょうか。
今回は2本入手し、どちらもちょっと長さが足りず、簡単な加工を行いオリジナルシリンダーに使います。より簡単に使えそうなのが短い方(写真上)でしたので、今回はそれを使う事にします。

参考までに。
これがこの車に本来装着されるシリンダーで、形が「L字」になっているものです。ここではL字型シリンダーと呼ぶことにします。これもかなり前にメーカーからの供給は途絶えてしまいました。

こちらは補修部品として現在でも日産から販売されているシリンダー。
シリンダーに対して中央部分にタンクがあるので、逆さまにするとT字になります。今回はこれを「逆T字型シリンダー」と呼ぶことにします。
シリンダーとしての機能は変わらないので、配管の向きを少し変える事により私の車にも使用することは可能です。
これを使えば今回行おうとしている加工は必要ないのですが、それでは少し面白くありません。やはり見た目もオリジナルっぽく見える方が私としては良いと思いますので、あえて面倒なロッドの加工を続けてみたいと思います。

作業に戻ります。
一番上に見える青いテープを巻いたものが純正のサイズです。下の2本が今回入手したロッドですが、これを高ナットでロッドを継ぎ足し長さを純正に合わせ、L字型シリンダー用として使ってみようという作戦です。

ロッド切り継ぎの実際のイメージです。ここでは長いロッドを使って見ています。長いロッドは、この写真でもわかるように、3~4山程度残すようにしてうまく切らないと、高ナットの所定の位置まで入りません。高ナットで継ぐ位置は写真の位置あたりでないとロッドの調整が効かなくなるのです。
今回実際に使ったのは短い方のロッドです。短いタイプですと高ナットにそのまま入れる事ができるので、切断不要になり、ひと手間省けます。

そもそもなぜこのロッドが必要だったのかと言うと、現在入手できるリペアキットのピストン形状が違う事により、このロッドでなければ使えないからです。
本来のリペアキットはすでに製造廃止で、現在入手できるリペアキットはサイズの似ている他車用のリペアキットを流用するからです。使えるものがあるだけマシと考えていかないとこの様な車は維持できません。
※これ等については前にもメモをしています。↓のリンクから

ロッド完成。
前にも一度これと同じような事をメモしていますが、その時は現在入手できる新品クラッチマスターの本体から必要なパーツを移植するという方法でした。
今回は必要なパーツとして、O/Hキットとこのロッドだけで済むので無駄がありません。前回のように使えるのに不要なパーツ(新品シリンダー本体部分等)が出てしまうのは忍びないので、無駄なく作れる今回のパーツで再度作製しています。

今回ロッドを作ろうと思ったきっかけは、リペアするL字の中古シリンダーがあったからです。これはずっと前に外し、そのまま保管していた純正ナブコシリンダーなのですが、このシリンダー用のリペアキットではないものの、ロッドを少々加工することにより使えるリペアキットがある事がわかったので、それを使って今のうちに使える状態に戻しておこうと思ったからです。
本当はアッセンブリーで新品があるうちにこういった消耗品をストックしておけば良いのでしょうが、部販から新品が買える時は以外に買わないものです。知り合いには製造廃止を見越して、驚くほどのストックをしている方もいます。出来なかった私は今になっていろいろ苦労し、そしてこのような工作を楽しみつつリペア部品を確保しています。無いものは仕方ないですから作るしかありません。

今回リペアするシリンダーの状態。
シリンダー内は傷も無く段付きもありません。ここでリペアしておけばまだまだ使えそうです。

取り出したピストン。
この黒いピストンは、前にも一度見ています。純正L字シリンダーをリペアしようと開けてみると、この黒いシリンダーが入っていました。
シリンダー本体が黒いのはロッドが深く入るピストンの意味なのかもしれません。写真の黄色線で示した内側部分に、ロッドの入る部分が深く掘られているピストンです。

取り出したピストン部分。
そんなに使っていなかったのでピストンもきれいです。このままでも使えそうですが、これと同じリペアキッドはもう無いのですから、今後の事も踏まえリペアキッドのあるピストンに対応させておこうと思います。

タンク内部。
ここから見ただけではよくはわかりませんが、樹脂の変色も進んでいませんし傷んでいません。

状態が悪くないとは言え、やはり年数も経過していますので、中身は交換しておく事にします。
今回使うリペアキットはミヤコブランドです。MK-N204 以前見た日産純正のリペアキットの箱ですと何用か記載はありませんが、このミヤコの箱には日産アトラス用と記載があります。

ミヤコのパッケージですが、中のゴムカバーにはナブコが刻まれていました。もはや日産純正となんら変わりありません。下に見えるピストンはシルバー。凹みの少ない半球状のロッドに適合するタイプです。
大きく凹んだピストン(黒いピストン)は他車用を含め製造されていないのでしょう。

ロッドを固定するスプリングリングを入れる時はいつも苦戦します。
プッシュロッドを押した状態で固定して、シリンダー内に少し押し込んだ状態を保持しながらリングをはめ込みます。
今回はひもでロッドを固定しておき、リングを入れました。

一応完成。
このシリンダーは自分の車用のスペアですので、そこまでピカピカにする必要はないですし、ロッド形状が多少変わっていても良いかと思っています。
今回はクラッチマスターの機能の回復をメインにリペアしました。
試しにプッシュロッドを最大迄押し込んでも、高ナットはゴムカバーに当たりませんし、クレビスの調整範囲もしっかり確保出来ています。

ナブコの白いキャップも、付けてみると思っていたよりきっちり緩みなくタンクに付きました。これならこのまま使えます。

今回パーツとして入手したロッドは、根元が太くなっているタイプでしたのでゴムカバーに密着します。こうなるように根本部分が太く設計されていたのでしょうか。
これで次の出番を待つことになります。
<2022年1月>