クラッチマスターのオーバーホール

純正のL字型をしたナブコクラッチマスターシリンダーです。アッセンブリーでの新品部品の供給はありません。
従って純正ナブコに拘るのであればオーバーホールして使うしかないのですが、オーバーホールキットもメーカーからは販売されていないようです。

 

でも探せばなんとかなるものです。まずは分解して各パーツを見ていきます。
ロッドから。L字型純正ナブコのプッシュロッドはこのようにシリンダー固定部分より先が長くなっています。

 

 

あの部分が長い理由は、シリンダーの内部が大きく凹んでいて長いロッドを受けるようになっているからです。

 

 

以前入手した日産純正品のオーバーホールキット(何用かは不明)に造りの似ているものがありました。
上がオーバーホールキットで下が「純正L字ナブコ」です。見比べるとピストンの色以外、全く一緒です。

 

 

一つだけ違う部分がこちらです。オーバーホールキットはピストンの凹みが浅くなっています。
このままでは使えません。

 

 

そこで他製品から流用するパーツが必要になります。このようにシリンダー部品の造りは全く違うのですが、同じナブコ製のS30にも使われる5/8の逆T字型シリンダーからパーツを拝借します。
これはオークション等で今でも売られていますから、新品も部販で買えるものだと思います。

 

このシリンダーに使われるプッシュロッドは固定部より先が丸くなっているものが使われています。

 

 

念のためクレビス込みで長さを比べてみます。クレビスの形は違いますが、シリンダー固定部よりクレビスピンまでの距離はほぼ同じです。

 

 

このプッシュロッドを流用すれば、凹んだ純正ピストンと凹みの少ないオーバーホール用ピストンでも、ほぼ同じように使うことが出来そうです。

 

 

組み合わせるとこうなります。

 

このパーツをうまく使えば、ずっと前に外した古い使用済みシリンダーでも(シリンダー内部の状態さえ悪くなければ)オーバーホールして再使用出来るかもしれません。
新品逆T字シリンダーから、タンク、バンド、キャップ、ロッド、クレビスを移植、オーバーホールキットでピストンも新品になりますから機能も蘇ります。かなりコストは掛かりますが純正L字シリンダーがこれで蘇ります。もし丸い頭のロッドだけで入手可能ならば、かなり出費は抑えられるはずです。
日産純正オーバーホールキット 30611-G3625

 

 

そしてオーバーホールキットを使い、内部を新しくしたナブコシリンダー。今回外したものをリペアしたものです。ロッドも逆T字シリンダーから流用しています。今回装着したSAMシリンダーがオーバーホールの時期に来たら、次はこちらを使ってメンテナンスを行おうかと思っています。