ウインカーレバーの修理 ③

「レバー②」の修理でとりあえず機能するようになった改造汎用スイッチ式ですが、実際にスイッチを本体に合わせて動かしてみるとスライドが渋かったり、軸がズレて動きが悪い時があることがわかってきました。ウインカーレバーそのものの稼働範囲が狭いというのも気になってしまいます。

再度改良品のスイッチ補助材を設計し、プリントしてみました。ここまでやってきたのですから、納得がいくまで改良を続けてみることにします。

3Dプリントで仕上げた改良スイッチ材と汎用スイッチ本体と合わせてみると、思っていたより良い感じに収まってくれました。
こういった物は作ったパーツを組んでから、一度動かしてみないと不具合部分がわかりません。今回のものは前回の修正ポイントを踏まえて設計したので良い感じです。

前回からの変更点は、スイッチの固定がしっかりできるように形状を変更した事と、スイッチを切り替えるレバーの軸部分のガタを減らすようにフタ部分の改良を行いました。

スイッチを固定する部分。
前回のものはスイッチとの固定部分の作りがやや甘く、レバーを動かすとスイッチ部が微妙に動いていたようです。今回の改良品はスイッチを囲んで固定しているので、スイッチ部のぐらつきは改善されているはずです。
青いのはネジロック剤です。

軸が動く際に傾いてしまわぬよう、蓋の部分も作り直します。ガイド部分を二重にして軸が蓋に対してグラつきが無く平行に動くように改良しました。

S30用のウインカーレバーのボディは、なぜなのかスイッチ取り付け部が左右対称の位置に無く、この写真で言うと、少し右側が狭くなるような設計になっています。
汎用スイッチをそのまま装着するとその右側部分が狭くなってしまいます。センターをうまく決めないと、左右一杯まで動かした際に可動範囲の関係で接触が悪くなってしまう部分が出てきます。レバーの可動範囲が狭かった問題も、このバランスが悪かった事が原因だったのかもしれません。

それを補正するためにスイッチを動かすレバー部分を今回は少しオフセットさせてみました。
レバーの可動範囲とスイッチの稼働が合わない時のために、オフセット量を微妙に変えたものを他に準備して、センター位置を調節できるようにもしました。

微妙に位置を変えたスイッチ材。
動かす方と、スイッチの軸との両方で調整できるよう作っているので、微調整が可能となっています。

スイッチの内部。
小さなピストンが上下に動き車輪を押さえている感じです。

スイッチの軸をスライドさせることにより、車輪と可動する押さえが左右に動き接点を繋ぎます。
写真にある車輪や、上下する筒状の樹脂パーツは本来のスイッチパーツをそのまま使っています。

仮組して左右の動きを見てみると、稼働すべき範囲でしっかり端まで動き、センターも真ん中で止まります。

スイッチをウインカーレバー本体に組み込んだ状態。
テスターで左右の接触がきちんとあるか確かめたところ良好でした。

左右切り替えスイッチを汎用スイッチに変えた事以外は、概ねオリジナルパーツをそのまま使っています。
こんな小さなスイッチですが、スイッチ代とプリント代を含めると一個数千円という金額になってしまいます。失敗し試作を繰り返す事になると時間もコストも掛かってしまい大変です。
作っている時はいつも一発で機能するレベルまで持っていくようやっているつもりなのですが、今回も結局は改良を重ねる結果となってしまいました。はなかなかうまくいきません。

時間が掛かったものの完成。
汎用スイッチや、コード色、取り回しも変えてしまいあまり見栄えのしないレバーですが、一度完全に分解して清掃しているいるためか、操作してみるととても軽く動き、その他の機能も問題はありません。車体に付ければ見えませんし、しっかり機能してくれれば、見た目はあまり気にしなくとも良いかと思っています。

組み付ける際の注意。
メモ②でも記載していますが、スナップリングを付けて固定する際、リングの向きを横にしなければいけない事に気付かず、何度も組みなおしをする羽目になりました。コラムシャフトにライトレバーと合わせて締めていくと、締め付けていくにつれて不思議とレバーが重くなり、その理由が分からず苦労した部分です。

コラムカバーとの干渉。
当初付けようとした「トグルスイッチ」では、おそらく赤い矢印のパネル部分に当たっていたと思われます。スライドスイッチにした事により、コラムカバーとの間隔は確保できました。長さ的にはギリギリかもしれませんが、当たらず上下のコラムカバーも問題なく装着できるのでこれで良しとします。
※イグニッションキーの黒が剥がれている部分やコラムの汚れが気になります。機会をみてこのあたりのメンテナンスも行いたいものです。

無事に点滅。
今回はいろいろと試した結果、汎用スイッチでも工夫すれば使えそうな事がわかりました。レバーのストロークも改善され、左右の点滅も問題が無かったので、修理はこれで終わりにして今後は耐久性を確かめます。コラムから煙が上がらない事を願うばかりです。
後日記載➡2023年8月:交換してから2,000KMほど走っていますが、ウインカーレバーは機能しています。

今後ウインカーレバーが寿命に達する車も多いはずです。通常であればアッセンブリ―での交換になるのでしょうが、このパーツも製廃で今では簡単に入手できません。ウインカーの不具合だけで車が動かせなくならない様、せめてこの純正スイッチの単品だけでもスイッチ業者さんで作ってくれないものかと思っていたら・・・

いろいろ調べていたら、驚くことに過去にはこのスイッチ単品の純正品が存在していたようです。ちょうどこの写真のパーツ(スイッチ、ハーネス、3極カプラー)での設定があったようで、旧箱に載るパーツ写真を見てしまいました。(番号:25545-N3600)
過去にはあったんだ・・と思いつつ、このパーツの再生産、もしくはリプロを願うものの、現状では数が出ないから難しいのでしょうね。
<2022年3月> <2022年4月追記>