スピードメーターのピニオンギヤ

今回メンテナンスを行うのは、スピードメーターのケーブル取り付け部です。
写真でもわかるようにこの部分からのオイル漏れがあるようなので、まずは分解して、うまく交換や修理ができるようならば修理して、オイル漏れを止めたいと思ったからです。

 

 

初期のPS30に搭載された71Aミッションの図とスピードメーターのギヤの位置です。
このような構造透視図で見るとギヤの位置や付き方が良くわかります。

 

 

正式名称は部品表で調べました。今見えている部分が「スピードメーターケーブルアダプタ」で、その奥についているパーツが「ピニオンギヤ」となるようです。
S30Zの車種によりこの部分のパーツは形が違うようです。また見た目だけでなく、内部のギヤの刻み数にも違いがあるようです。
まずは見えているアダプタを外してメンテナンスをしていきます。

 

 

ケーブルアダプタは、パーツリストで確認すると21番のパーツになります。
そして21番アダプターはS20搭載車両となっているので(実車確認はしていませんが)おそらくL型搭載車両には付かないものだと思われます。

 

 

ケーブル接続部は、締めこみ部分をプライヤーで回すと簡単に緩みました。
アダプタ本体の先に、スピードメーターピニオンギヤがミッションに刺さる形で装着されています。

 

 

外したケーブルを見ると、あまりよくないと思われるさび色の液体が付いています。ケーブルが錆びてしまっているのでしょうか。

 

 

アダプタを外して、ピニオンギヤを見ていますがやはりサビ水のようなものが付着しています。
ピニオンギヤはミッションにすっぽり入っているもので、他にもドリブンギヤとか、スピードメーターギヤ等とも呼ばれるパーツのようです。今回はパーツリストでピニオンギヤ(スリーブ)となっていたので、その名称を使っています。

 




L字型のスピードメーターアダプタ本体とその他部品。
真ん中の棒のようなものは、ピニオンギヤとアダプタを繋ぐシャフト。組み込む際はアダプタの切り込みとピニオンギヤの切り込みに、羽部分を合わせて入れなければなりません。
右側の10mmのボルトとプレートはピニオンギヤ本体をミッションに固定するためのもの。

 

 

固定のプレートとボルトの付き方。
固定プレートをピニオンギヤの溝に入れボルトで固定し、ケーブルアダプタとピニオンギヤをジョイントロッドでうまく繋ぎ、アダプタのナットでギヤ本体(スリーブ)に固定しています。

 

 

 

白矢印が固定のプレートを挟む溝。
この溝にプレートを差し込み、ボルトで固定することによってミッションから抜けなくなります。
黄色矢印の線はミッションに差し込むライン。
このピニオンギヤは長年の使用によりスリーブ部分に線が入ってしまってます。ギヤをミッションに入れる際のよい目印です。

 

 

S30Zのメーター類は全部関東精機製です。
やはりケーブルアダプタもメーター関連パーツですから関東精機製なのですね。

 

 

長年スピードメーターを動かしてきたパーツですが、まだ頑張ってもらわなければなりません。洗浄してグリスアップしておきます。
50年前の車のこんな細かなパーツの新品部品などメーカーから出るはずがありません。

 

 

ピニオンギヤのサイズと抜く際の注意。
これが製造時のオリジナルのギヤだと思われますので念のためサイズを測っておきます。現在は同じ形の新品はなく、ボディがアルミ?でできた形の違うものが入手できるようです。
またこのギヤを抜く際は、オイルが出てくるので受けとフタになる別のギヤ等を準備してから取り掛かった方が良いです。

 

 

ギヤの枚数を確認しておきます。
刻みは22コ。432初期車両の標準的なギヤが入っていました。後のBタイプミッションの432になると、刻みは21コに減ります。(デフのギヤ比等変更があったためだと思いますが)

 

 

各部を確認したところ、状態はそんなに悪くないようなので、パッキン部分を交換して再使用することにしました。

 

 

ピニオンギヤのゴムのパッキンは二か所あります。
外側に付いているオーリングは簡単に交換できます。「32710-14600」で良いと思います。

 

 

もう一つは少々厄介な場所にあります。
交換するにはギヤのシャフトを外さなくてはなりません。シャフトを固定してるピンを直径2mmの棒状の工具で押し出し外します。

 

 

本来は「ピンポンチ2mm」で打ち抜くのでしょうが、それを持ち合わせていなかったので、キリの先を削り平らにして金づちで軽く叩き押し出しました。
※後日ピンポンチを購入して作業のし易さを比べています。さすがに専用工具だけあり打ち抜きが楽に行えました。

 

 

固定のピンを外し、ギヤシャフトを回しながら引っ張ると抜けます。軸にはオイルが漏れないよう、らせん状の溝が切ってあるのが見えます。

 

 

厄介なパッキンはギヤシャフトを外したピニオンギヤボディの中に入っています。このボディ部分を「ピニオンギヤスリーブ」とパーツリストでは呼んでいます。

 

 

 

先の細い、ピックアップツールを使い引き出しました。

 

 

ギヤシャフトと外したシール。シャフトはグリスを塗ったので少々白くなっています。

 

 

外したシールと新品シール。
このシールは日産純正「32709-14600」を使用しました。

 

 

シールを交換して組み込む準備が整ったピニオンギヤ。
今回はオーバーホールして再使用しましたが、現在部販から供給されるピニオンギヤでも多少加工すれば使えるようです。

 

 

しっかりと押し込み固定したピニオンギヤ。
ギヤを差し込んで、かなり強く押し込まないとこの位置まで入らないし、車体下に潜り込んだ状態でプレートを差し込み固定するのは大変でした。
プロショップのリフトでの作業でしたらこれも簡単に行えるのでしょうけれども、狭い車庫でジャッキアップ&馬掛けして潜り込むような作業ですと難儀します。できるだけスペースを取り両手が使える状態で作業を行わないと厳しいかもしれません。

 

 

スピードメーターケーブルアダプタとメーターケーブルを接続。
この後試運転をしてみたところ、スピードメーターが無事に動いてくれたので安心しました。
あとはオイル漏れがないことを祈るだけです。<2021年5月>

 

以下後日追加

少し走らせてからのピニオンギヤ周辺です。
確認してみるとアダプタの継ぎ目から茶色の液体が滲んできています。ピニオンギヤからのオイル漏れは見えませんが、見えている液体はやはりメーターケーブルからなのでしょうか。今度はケーブルのメンテナンスを考えてみようと思います。<2021年5月>

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