
今回交換するのはこのクラッチマスターシリンダーです。
作業するスペースを確保するため、前もってエアクリーナーボックスは外しておきます。
純正シリンダーは製造廃止ですので、今回は日本製(と書いていた)のSAMシリンダーを使ってみる事にします。

シリンダーを外す手順としては、まずこの黒ずんだフルードを可能な限り抜き取ります。
次にパイプのフレアナットを外しますが、フルードが必ず垂れますのでタオル等を置いてカバーしておきます。
最後に取り付けナット2か所を外すとボンネット内の作業は終わりです。

車内では逆さまになって潜り、クレビスのピンを外し、クラッチペダルと切り離します。これでシリンダーを抜くことが出来るようになります。
暗いのでわかり易い写真を次に↓

この時の作業ではありませんが、見やすい写真にします。
ピンはクラッチペダルのアーム?部分の裏側の狭いスペースにクリップで留められているので、とても見えにくく外しにくいところにあります。私の老眼では位置が確認できてもよく見えません。
私は少しでも運転席下のスペースを確保するため、ステアリングを外し、ラジオペンチを持って入っていきました。シートが邪魔して、エビぞり+逆さまの作業はとてもきついのですが、最後は手の感覚で外しました。

抜いたナブコ製純正クラッチシリンダー。見る限りあまり傷んではいないようですが、使用年数がわからないのでリセットの意味で交換しています。後から中の状態を確認して、オーバーホールして使えそうなら、次回また戻そうかと思っています。

外したピンはまったく減っていませんでした。前に交換していたのだと思われます。
これは再使用することにしました。

この当時の純正仕様はこのタイプのピンのようです。
ピンに穴があり固定ピンで押さえるのではなく、溝に固定ピンを挟むタイプのようです。

前に乗っていた車で、外したピンの状態を撮っていたのを思い出し、写真を探して確認してみたところ、やはりピンはこのように減っていて段になっていました。クラッチは頻繁に操作し、このピンで押し込むのですから使っていると減るのも当然です。マメに交換しておかないといけない部分でしょう。
これを見ると前の車でもクリップの形は挟み込みタイプでしたから、この時代はこれが標準だったと思われます。でも今はこの部品が出てきませんから、減ったら右に写っている現代の差し込み純正ピンタイプを使う事になるのでしょう。

ちょっとそれますが、左側にはマスターバックが見えています。初期車両はブレーキマスターバックとクラッチマスターの取り付け位置が近いため、6インチより大きなブレーキマスターバックを付けるとクラッチマスターシリンダーに当ってしまいます。中期以降はクラッチマスターの取り付け部が(写真でいうと)向かって右側にずれ(内部のペダル等も一緒ずれる)、7.5インチ等の装着が可能になります。

新しい「SAM」シリンダーをセットします。この時2か所の固定ナットを締める前にやっておくと良い事です。
①クラッチペダルにクレビスがしっかり挟まっているか確認しておく。
②クラッチ~オペレーティングシリンダーのパイプのフレアナットを入れておく事。
特に②のフレアナットですが、角度を合わせないとなかなか入りません。シリンダー本体を少し動かせる状態で調整して入れてあげると入りやすくなると思います。

一つ前でも記載していますが、マスターシリンダーをボディにセットする時はクレビスの向きを確認してクラッチペダルのアーム部分にうまく挟まるよう入れておかなくてはいけません。
この後クレビスをブレーキペダルの固定穴にグリスを塗ったピンを通し固定しておきます。ピンでの固定が終わったらシリンダー本体の固定ナットをしっかりと締め、クラッチマスターシリンダーの交換が完了します。

ペダル高さ等の調整は整備要領書記載のこの数値を参考にして調整しています。
逆さまになって潜りながらの調整ですので、なかなか辛いものがありましたが、今回は前の車の時に一度行った作業でしたので、手順やコツを覚えていましたし、ロッド部分も回しやすく、うまく自分好みの高さに調整できました。
今回実際にはこの数値通りには調整していません。自分で操作しやすいペダル位置に調整できればそれで良いと思います。

透き通ったフルード。今回交換した際の真っ黒とは大違い。

こうして見た感じはSAMシリンダーもあまり違和感の無いように見えます。果たして機能的にはどうでしょうか。しばらく使ってみないとわかりません。
<2020年12月>

後日、クラッチマスターのキャップを変更してみました。サムシリンダーにこれが装着できるか試したくて蓋のみをパーツで入手してみたのです。

NABCO製の白いタイプ。
若干緩い感じもありますが、ロックの爪があるので外れる事はありません。キャップを変更しただけですが雰囲気が良くなります。

裏側の比較
やっぱりナブコの方が手間をかけて作っている感じがします。

キャップの表側の比較
そもそも販売価格が違うのですから、作りを比べてはいけないのでしょうけれども、やはり見た目の良さはナブコの方が上でしょう。
大事なのはクラッチマスターとしての機能ですが、クラッチマスターを交換して3か月しか経過していませんが、サムシリンダーは使用に関して全く問題はでていません。<2021年3月追加>