
初期型Zに装着されるマスターバック。
サイズは6インチと呼ばれるもので、後の7.5インチ、最終型の9インチと比べるとかなり小さいものです。

これは現在の車のマスターバック。
ブレーキフルードがにじみ出てしまったのでしょうか、ブレーキMシリンダー接合部はかなり汚れてしまっています。
このマスターバックの製造会社は昔の自動車機器製、現在は名称が日立の自動車関連の会社に変わり存続しているようですが、このS30初期用マスターバックは製造廃止で入手できません。

マスターバックの機能は、ブレーキを踏みこむ際のアシストを行ってくれるものですから、内部のゴム(ダイヤフラム)が劣化して破れたりするとブレーキペダルが重くなり、ブレーキの効きが悪くなるので大変です。
そうなる前に交換しておきたいところです。でも新品はありませんので、中古や旧車ショップの社外新品、または現状のものをオーバーホールする等の対策を講じなければいけません。

今回は部品流用で交換してみます。
写真は以前の車でマスターバックの中身だけをスカイラインの同サイズの新品を分解して内部の入れ替えを行った時のものです。このスカイライン用は幸いにも外径が同じ大きさだったので、細部の造りは違うものの内部のダイヤフラムの移植は可能でした。しかしながらその移植も簡単ではありません。
人によっては、どうせ改造するのであればと他車の(シルビア用等)径の大きなものを装着している方もネットで多く見かけます。ボンネットを開けると見えるところですので、ボディへ穴を開ける事無く、なるべくオリジナルの雰囲気を保ち、そして機能的に不安の無いように仕上げたいと私は考えてしまいますが、人によって考え方や求めるものも違いますので、このあたりについては各々好きな方法を採れば良いかと思います。

私の場合、どちらかと言うと純正に拘りのある方ですので、今回も前回同様スカイライン純正マスターバックを使い、面倒な分解移植では無い流用交換を検討してみようと思います。
幸いな事に6インチのスカイライン用のマスターバックは2024年でも(←更新しました)入手できます。残念ながら取り付け部のボルト位置が違う事でポン付けはできませんが、一番の問題点である取り付け方法を解決してしまえば、あとは比較的簡単に装着も出来ると思います。まずは取り付け部の型紙を作って現状の穴の位置を正確に写し取り、サイズを測る事から始めます。

スタッドボルトの位置関係。
写真のように4本のうち、上の2本の位置は共通なので、取り付け部の変更は下側のボルト2本をZ用の位置に変更すればよいわけです。この2本をうまく移設すればよい事がわかります。
今回はこれを踏まえ、他の方やショップ等でも行っているスペーサーを入れる方法を参考にして、マスターバックを割らずともZに取り付ける方法を検討します。

Z用にも型紙を作り装着してみて同じ位置か確かめています。中心の軸の部分は60mmの穴を開ければ大丈夫のようです。

他の部分も念のため計測しておきます。
スカイライン用の横幅。Z用は8センチ、8センチですがスカイライン用は下側がちょっと広い。

スタッドボルトの長さ。Z用
ボルトの太さは8mm。ボルトのピッチは1.25ミリ。


Z用の本体取り付け部寸法。
アルミスペーサーが無いのでこの部分の長さも微妙に違う。
クレビス先端までの長さ。軸径は8ミリ。(初期車)
蛇腹ゴム部分もZ用はスカイライン用より少し長い。

スカイライン用のクレビス先端までの長さ。
Z用より1cmくらい長い。
スカイライン用の軸径は10ミリなので、これに合うクレビスも調達が必要。

スカイライン用新品。 47210-R5511
外径のサイズ的にはドンピシャの純正新品マスターバック。

有難いことに今でも入手可能なのですから助かります。シールの色は黄色になりますが、自動車機器の名称の入ったシールは変わらず。取り付け部のボルトの位置以外にも、装着するにはいくつか問題がありますが、純正の雰囲気を維持し、そして純正品の信頼性も確保するにはこれを流用する方法が一番かと思われます。

昔、分解移植した際の写真。
前の車の時にマスターバックを修理した際は、マスターバックの内部の状態の確認と構造を見たかったので分解し移植をしましたが、今回は分解せずに流用できないかを検討しています。
素人が分解してしまうと、組み立て時にすき間が出来てエア漏れ等を起こし兼ねないのでマスターバックはそのまま使いたいのです。
<2020年11月>