ウインカーが突然点滅しなくなった

長年こういった古い車を所有していると、過去に発生したトラブルには概ね対処できるようになってくると思うのですが、過去にないトラブルとなると未だに焦ってしまいます。
今回の故障は以前にもあった、ウインカーが出なくなる症状でしたが、前のウインカーレバーの故障の時とは症状が違い、ウインカーレバーを左右どちらに操作しても、ランプが点灯しないというものでした。



 

ヒューズでも飛んだのかと思い「フラッシャー」ヒューズを確認。でも異常なし。
これはもっと大きな部分が故障したかと車庫に戻り、ゆっくり各部を触りながら見ていきます。
しばらくの間、いろいろと弄りながら確かめていくと、原因となった部分だけはわかりました。ハザードスイッチです。



 

今回のトラブルの発端は車を動かすため車庫から出した際に、ハザードスイッチを「ON」にして停車し、シャッターを閉めるため車を離れた事から始まっています。
その時既にハザード部分は故障していたようです。ハザードは点滅していません。車に戻り動かそうと思った時、ハザードが点滅していないのでハザードスイッチが「ON」である事に気付かず、その状態でウインカーを操作したためウインカーが点滅せず焦るという事になってしまったようです。

 

 

PS30の配線図。
配線図で確かめると、どうやらハザード部分での故障(スイッチが「ON」の状態で点滅しない故障)だと、ウインカーレバーを操作してもウインカーは点滅しないという構造であることがわかります。
スイッチを戻し、ウインカーレバーを操作すると点滅するようになったので、今回の故障はハザード部分の故障でありウインカー部の故障では無かったようです。
でもハザードスイッチの問題でウインカーが動かなくなってしまうとは思いませんでした。今回は配線の取り回しを理解する良い機会と思い、配線図を見ながらハザードとウインカーの関係を確かめつつ、そのメンテナンスを進めていきたいと思います。

 

配線図のウインカーに関する部分に色付け。
白黒配線図のままですと分かりにくいので、まずは配線図のウインカーに関係しそうな線に赤色を入れて判別しやすくしてみます。
そして電気の流れを理解しやすくするため、バッテリーからの「+」の流れに矢印を入れていきます。

 

 

「4ウエイフラッシャスイッチ」も「ハザードスイッチ」に置き換えて記入します。ウインカーレバーに相当する部分もわかり易く囲みます。

 

 

ハザードスイッチ部分をよく見ると、ハザードのスイッチは接点が5カ所あり、ハザードスイッチが「ON」の状態で図の「1-2-3」が繋がり左右のフラッシャーが点灯するようになっている事がわかります。
小さい字ですが、「1」が+の電源で、「2」と「3」が左右のフラッシャー電球へ繋がっている配線のようです。そしてこのハザードスイッチ構造だと、「OFF」の時には「4」と「5」が回路として繋がれているという事ともわかります。
これですと、ハザードスイッチが「ON」状態であった時、仮にハザード部に接点不良等の故障が合った場合はハザードは点滅せず、それに気付かずにウインカー操作を行うと、ウインカーが機能しなくなる事が理解できます。ウインカーレバーの操作にはハザードスイッチが「OFF」であることが必要です。

 

今回ウインカーレバーが操作できなかった理由が配線図から理解できました。
それと合わせて「ハザードスイッチ」というパーツの重要性も認識できました。

 

 

 

ウインカー関係のリレー
リレーが故障するという事も良く聞く話です。
配線図の中のオレンジ線、「ターンシグナルフラッシャユニット」と「4ウエイフラッシャユニット」という名称で書かれている部分が、この車で使われる2極式のリレーの事なのでしょう。

 

 

パーツリストにそれらのリレーは掲載されていますが、当然こちらの部品は製造廃止になっています。壊れていればなんらかの代替品を探す他ありません。
⑫のハザードスイッチも廃止ですから、今回の故障の原因がスイッチならば修理、もしくは代替品を探すようになります。

 

 

運転席下:ウインカー・ハザード用リレーの確認。
私の初期型サンマルの場合、今回の原因として疑わしいリレー(ウインカーリレーとハザードリレー)はこの部分に装着されているようです。
左側の矢印:ステアリングシャフトの裏側付近にウインカーリレー。
右側の矢印:ボンネットオープナーの先、側面にハザードリレー。

 

 

ハザードリレーの位置。
ウインカーについては作動が確認できたので問題は無いでしょう。ウインカー用リレーに問題はないと思われるので、今回は外しません。
ハザードリレーを確認していきます。
ハザードリレーは知り合いから大体の場所を教えてもらいました。でも位置はわかっているのに運転席側から見ても良くわかりません。じっくりと確認していくと、金色のリレーのステイだけ確認する事ができました。

 

 

位置が確認できたので、今度は運転席部分に潜り、違う角度から見ていきます。
やっと本体が確認できました。金色をしているのがハザードリレーのようです。取り外すには本体の丸い筒の下に見えるビスを外します。

 

そしてリレーの上側に刺さるコード2本を引き抜くと外す事ができるようになります。
こうして見ると、ハーネスもかなり変色してしまっています。でも50年以上経過しているものですからこうなりますね。

 

 

ハザードリレーを車体から外して確認します。
底部分から2極出ていますが、ここも「L」や「B」もしくは「X」と記号が刻まれているはずです。
「L」はランプへ繋がり、「X」もしくは「B」がバッテリ側に繋がるという意味で、2極しかなくても接続は決められているようです。ハーネスを抜く際はわかるようにしておかないといけません。

 

 

表面にもいろいろと文字が刻まれています。
最後に記載されている文字、落とすな!というのだけはなんとなく私でも理解できますね。
しかし外してみたもののこれが不具合を起こしているのでしょうか?

 

 

という事で、現在入手できる代替品のリレーを装着してみて、今の金色のハザードリレーがダメなのか確かめます。

 

 

日産純正、ナイルス製リレーです。
金属の筒からするとかなり小型になっています。

 

 

装着は簡単です。
端子は、2極+アースで1端子多いのですが、黒いアース線をボディアースに繋げば良いだけで、残りの2端子は通常の接続になります。端子には「B」の記号が入っているので、バッテリ側を「B」につなぐ事さえ間違わなければ大丈夫です。
このリレーにはマニュアルも付属していますから、接続は問題なくできたのですが、このリレーを装着してもハザードは復活しませんでした。リレーの問題では無かったようです。
 

ウインカーとハザードの動画  ←参考までに:実際にリレーを作動させている動画です。

 

 

 

そうなると今度はスイッチの接点か?と思いスイッチを外しにかかります。
正面から見ると二か所に凹みがあるので、ここに先の細いドライバーを2本使い、平行に当てて回して外します。
多分何らかの専用工具(↓後日見つけました)があるんでしょうけど、持っていないのでこのような感じで回しました。



日産のマニュアルに掲載されている、スイッチの専用工具です。
筒状の工具のようですが、持っていれば本当に非常に便利だと思います。
スイッチを外すのはドライバー2本でなんとかなるのですが、組むのが非常に面倒でした。
暇なときに似たような工具を作ってみましょうか。

ハザードスイッチの特殊工具

 

樹脂のワッシャー+金属のリング(先ほど引っ掛けて回した)で固定されています。
リングを外すとスイッチ部はダッシュボード裏側に押し込む事ができるようになります。そして裏で繋がっている5極(6極の形)のコネクタを引き抜くとスイッチ部が外れます。
スイッチを外して裏側のはんだ部分を確認したのですが、こちらのスイッチもどうやら問題は無いようでした。

 

 

おかしいな?と思い、仕方がないので最初に戻ります。ヒューズボックスです。
フタに「フラッシャー」が見えます。このヒューズは最初に確認した部分で、ヒューズ自体には問題が無い事はわかっています。
少々脱線しますが、初期車のヒューズボックスはフタがカタカナ表記なのでわかり易いのが特徴です。どの時期で英語表記に変わったのか、たしか・・BOXから出るハーネスが短くなった時点(初期タイプは長い)で変わったんだったかな・・?。昔調べたような気がしますが忘れてしまいました

 

 

作業に戻りまして・・
フラッシャーヒューズには問題が無い。でも念のためにもう一度ヒューズボックスのフタをよく見ると、なんとここにハザードフラッシャーの表示があることに気付きます。
フラッシャーは2系統あったのか・・・。真ん中に書かれていた「フラッシャー」しか見ていませんでした。見やすいカタカナ表記なのに・・・。

 

 

そしてこの部分の20Aヒューズを交換してみると、何事もなかったようにハザードは点滅します。
長年この車に乗ってきましたが、10本のヒューズの詳細をすっかり忘れていて、こんな基本的な事に気付けなかったとは、なんとも間の抜けた話です。
今回は作業の途中から、多分リレーかスイッチなのかと思い込んでしまい、その強い思い込みで他を確認しなかった自分のミスです。

 

 

原因もわかり、良い機会でもあるので他のヒューズも確認して、悪くなっていそうなものは交換します。
近所のカーショップに行き、ガラス管ヒューズを多めに調達してきました。
見えにくいガラス管という事もあり、内部が汚れて見えにくくなっているものもあります。外して接点を磨き、それらを新品に付け換えておきました。





今回は結局はヒューズという単純なトラブルでしたが、今後の為にウインカー関係のトラブルの原因について整理しておきます。

⓵ヒューズBOX内のヒューズ切れ。(一番最初に確認すべきポイント)
②ヒューズBOXの熱による溶解での故障。(こうなると交換←ブレード式の方が安心)
③ウインカー用リレーの故障。(ウインカーの点滅に影響)
④ハザード用リレーの故障。(ハザードの点滅に影響)
⑤ハザードスイッチの故障。(スイッチオフでもウインカー回路に繋がれている)
⑥ハザード関係の故障によるスイッチの戻し忘れ。(ウインカーレバーの操作に影響)
⑦ウインカーレバー本体の不調。(前に取り上げました。煙が出て接点が焼けてしまう等)
⑧ハーネスの劣化・配線不良
⑨ハーネスのコネクタの接点不良等
  まだあるかと思いますが、この中でもハーネスが劣化するといった事態になるとダッシュ裏側の配線交換となると厄介ですし、ヒューズボックスの熱による溶解も大変です。

 

 

修理後の試走。
この日もかなり暑い日でしたが、早い時間から取り掛かり、回り道はしたものの、その日のうちに無事に不具合に対処できました。暑さによる疲労はあったものの、満足感は得られました。
今回の故障は少々恥ずかしい事例ではありましたが、ウインカーリレーの位置の確認や、ハザードスイッチの交換の仕方等、今まで行った事のないメンテナンスを実際に行う事が出来ましたので、今後の対応の勉強をしたと思って良しとします。
まあ今回のようなメモでも、「S30に乗って間もない方」でしたら、同じような症状が発生していまった時、少しは解決の足しに役立つのではかいかと思い残しておく事にしました。
<2023年9月>

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