私のところにやってくる前にも、この車のデフオイルは定期的に交換されていたとは思いますが、直近の交換時期がわからなかったので、このタイミングでデフオイルの交換を行っておこうと思います。まずはデフの廻りの状態を見て、交換の手順を確認する事から始めますが、今回の最大の難関はフィラープラグを緩める事です。
回す道具がスパナですからしっかり力を掛けないと抜けてしまうので、デフの真下で作業できるように車をある程度上げて、下から作業できるようにしておかないとこの作業は厳しいかもしれません。
S30のデフオイル交換をネットで検索すると、自分で作業を行った人の多くの方が作業が大変であったと書かれています。
実際に車両の下からこの部分を覗いて見るとそれは良くわかります。写真のドレンプラグは見えているので作業は簡単に行えるのですが、この上にあるオイル挿入口のフィラー側がメンバーの陰に隠れていて工具を真っすぐ入れることが出来ないのです。
プロの整備工場でしたら、設備や工具もあるでしょうから簡単なのでしょうけれども、自宅車庫でやろうと思うとこれは大変です。

フィラープラグの位置。
矢印の位置(メンバーの陰)に付いていますので、工具を真っすぐ入れる事が出来ません。
従ってこのような向きから17mmのスパナを差し込んで回すしか無いのです。
しかも場所が狭いので短いスパナしか入りません。そして短いスパナですと力をかける事が出来ないのでボルトが緩まないのです。
短いスパナではフィラープラグが回らず、長いスパナを購入して作業してみると、今度は見えている燃料ポンプのホース等が邪魔になり回せません。
フィラー側のボルトを回す方法が分からず、あきらめて工場に持って行ってやってもらった方が良いかとも思いました。
そしていろいろ場所を変え試してみた結果、うまくいったのが長いスパナを使い、角度や位置を変えて回す場所を確保する方法でした。
市販の17mmスパナで販売している一番長いものを入手し、差し込み方向をいろいろ試してみて、スパナを振ることができる場所を写真の位置に見つけ出し、やっと回す事ができました。
スパナが当たるホース(黄色矢印)
長いスパナですと燃料ポンプのパーツに当たってしまいます。少しずつ角度を少しずらして入れ、ポンプに当たらず、フィーラープラグにレンチが掛かる場所を見つけ、その位置で少しレンチを振る事でプラグが回ります。この空間があることがわかった時はちょっと嬉しくなりました。
次回からはここに空間がある事がわかったので、苦労せずこの作業は行えると思っています。
このレンチは、シグネットのものでネットで購入できるスパナでは一番長いものでした。
メガネレンチですともっと長いものがあるのですが、メガネですと四角ボルトに掛ける事ができません。しかもフィラープラグは頭が四角ですから、レンチを入れるポイント(角度)は限られています。
一つ上の写真ではわかりにくいかと思いますが、ちょうどこのくらいの位置にスパナを振る事が出来る空間があります。
シグネット、17mmの超ロングコンビレンチ。全長31センチ程度あります。
上に見えているのがかなり苦労して外したフィラープラグ。これが外れてくれないとドレン側を緩める事がでません。
オイルの入口を確保できたので、やっとデフオイルを抜く作業ができます。ドレンプラグは正面から見えているので簡単に緩みます。
排出されたオイルを見ると、ちょっと汚れているようでしたが酷い状態では無いようです。
今回はドレンプラグも新しいものが日産から入手できたので交換しておく事にします。今まで付いていたドレンプラグはテープを巻いてデフにセットしてありましたから、今回も同様にテープを巻いて装着する事にします。
デフやミッションのドレンやフィラープラグはテーパーボルトになっていて、締めこんでいく事により相手側の穴に密着する構造です。
このボルトは締めこんでいくといくらでも入ってしまうので、デフカバーの穴を広げてしまい、最悪カバーを割ってしまう事もあるようですから、ほどほどに締めこみます。
マニュアルでは4~6kg-mとなっているので、39N-mから58N-mという事でよいのでしょう。
こちらはフィラープラグの穴。
メンバーの陰になっているので正面からは見えません。オイルを入れる時も、メンバーとデフカバーのこのすき間から入れないといけません。
オイルを入れるガンは購入前にいろいろ調べて、造りのよさそうなヤマダ製のオイルサクションガンにしました。デフのオイルは固く、このガンを使っても吸い込み時や押し込み時には結構な力が必要です。
因みにオイルは整備要領書には#90と記載されていて、サービス周報では#140を使用と記載されています。ここについてよく調べてみると、LSD付は固いものを使用しないといけないようですから、整備書の数値ではなく周報の粘度のものを入れています。トラストの85W-140を使用してみました。
サクションガンでオイルがフィラーの口から漏れてくるだけ入れたら、フィーラー側のプラグを入れて穴を塞ぎます。
オイルの使用量は1.2ℓ位でした。(サービス周報では1.3ℓと記載有)フィラープラグも新しいものに交換しています。
オイルの入れ替え方法ですが、人によってはドレンを開けたまま上から新しいオイルを入れ、少し洗い流す感じで換えた方が良いと書いている人もいました。やってみようかと思ったのですが、このオイルは固く「洗い流せる」ような感じでは無ように思ったので今回はやめておく事にしました。
今まで使っていたプラグを見ておきます。左がドレンで右がフィラー側。
見てわかるようにフィラー側にもマグネット付を使っていたようです。
ドレン側は窪んだ四角で、フィラー側は凸の四角ボルトです。
昔撮影したS30車(この車とは違う車)のデフの写真がありましたので確認しておきます。
これは初期生産車のドレンプラグで、凸型四角ボルトでした。(フィラーも凸)
最初期のドレンプラグを確認した写真も。
両方が凸ボルトで、ドレン側だけがマグネット付きでした。
こちらは更に違う車の写真です(初期車)。やはり凸型のドレンがついています。
こちらも初期車両だったと思いますが、ドレンは凸型。メンバーにフィラーを回すためなのでしょうか、穴が開いている車両。
この穴は便利ですね。穴が開くメンバーが純正なのか不明ですが、強度の問題は別にして穴が開いていればとてもフィラープラグが回しやすくて良いと思います。
これはメンバーが湾曲していますのでデフの後退したタイプの車両でしょう。ドレンは凹み型。
こうして確認してみると初期のドレンは凸型がついていたようです。機能的には変わらないと思うのでどちらでも良い気がしますが、初期に拘りがあればドレンにも凸型を使っておいた方が良いかもしれません。

念のためパーツリストも確認しています。
ミッションはしっかりと描いてあるのですが、デフのイラストでは違いがよくわかりません。
今回使用した各プラグ。
今まで付いていたものに倣ってドレンは凹でマグネット付き、フィラーは凸でマグネットがないタイプを使用しました。<実施2021年3月>