初期のブレーキマスターとチェックバルブ

現在S30用として入手できる日産純正のブレーキマスターシリンダーです。これはナブコ製のシリンダーですが、残念ながら初期のZには配管の出口位置が違うため、このままでは装着できません。

 

こちらが初期の車両に付くシリンダーですが、見ての通り配管出口が前後逆で位置も違います。
残念ながらこのシリンダーは、かなり前から入手出来なくなっていて新品はありません。シリンダー容量についてはナブコもこの初期用トキコも同じ7/8で同じです。

 

それであれば今でも入手できるこのナブコシリンダーを、初期車両に、初期車両風(前側のタンクが大きい)に装着できるようにしてしまえばよいのです。以下は装着にあたっての問題点と自分なりの解決方法です。
・配管の出口の違い・・配管に合わせてパイプを新規に作る。
・タンクが前後逆で見た目が変わる・・タンクの付け替えを行う。キャップは初期に交換、もしくは気にしない。
・チェックバルブの違い・・入れ替える。

 

上の対処方法のうち、今回はチェックバルブの入れ替えをメインにメモを残します。
そもそもこのチェックバルブとは何かですが、バルブは写真の黄色矢印の中に入っているもので、ナット部分を回し開けると取り出す事ができます。

 

バルブ部分を回すと中にはこのようなパーツが入っています。このつまみの付いたパーツがチェックバルブです。

 

拡大するとこのような溝が入っています。これはフロント用のバルブ部分に入っているチェックバルブです。

 

こちらはリヤ用のチェックバルブ。フロント用と比べ、溝が少なくなっています。このように前後で形が違っています。
このバルブの役割を簡単に言うと、ブレーキマスターシリンダー内のフルードの残圧を、ディスクブレーキ用とドラムブレーキ用に維持している装置という事になります。「残圧」とはマスターシリンダーがフルードを引き戻そうとする圧力を抑える事と捉えてもよいかと思います。具体的には次で記載しています。

 

ブレーキマスターシリンダーは、ブレーキペダルを踏む事によりシリンダー中のピストンが動き、フルードをブレーキに送り出し、ブレーキのピストンを動かします。
ブレーキ側のピストンが動くことにより、結果ブレーキが効くのですが、その後車が発進する際にはペダルを急に離すことになります。この時マスターシリンダーから急激に引かれる力が発生し、ブレーキピストンにあるフルードはマスターシリンダーに急速に戻ろうとします。
ディスクブレーキは、急な引き圧力が掛かっても大丈夫なのですが、ドラムブレーキのピストンは急激な戻りに対応出来ずピストン部分でエアを吸ってしまう恐れがあるようなのです。

 

配管内にエアが入ってしまっては大変です。そこでブレーキマスターシリンダー側で、フルードの引き圧力をこのバルブを使い、コントロールしているのがチェックバルブの役目のようなのです。ドラム用の溝が1本少ないのはフルードの引き圧力を小さくするためなのでしょう。

 

これはTOKICOシリンダーのオーバーホールキットです。

 

中にはチェックバルブも入っています。ナブコと形は違いますが担う機能は同じなのでしょう。

 

トキコの基本的なチェックバルブの図です。
左がディスク用、右がドラム用で、このように穴の数で調整しています。やはりドラム用はフルードの戻り量を少なくするため、穴の数が少ないようです。

 

図の13がトキコのチェックバルブの位置。

 

以上を踏まえ、ナブコシリンダーを初期車両で使えるようにするには、前に記載しました配管の作り替えを行い、出口に合うようにする事。そしてチェックバルブを前後入れ替え、タンクも前後入れ替えて使えば、このシリンダーでも初期車両で初期風にして使えるようになると思われます。

 

もう一つ、実用的には問題ありませんが、出口部分にあるRとFの刻印も削るなりして前後逆にして記載し直す等の作業も必要となるでしょう。

 


尚、チェックバルブの入れ替えとタンクの入れ替えを行う理由は、初期のシリンダーは前のタンクが大きいタイプなので入れ替えた方が多少見栄えが良いのでは?という事からです。(この写真入れ替え済み)
そこまで行わずこのシリンダーを使いたいという場合は、配管をクロスして作り繋ぐだけで初期車両に使えるようになると思います。(マスターバック側のプッシュロッドの長さは要確認)

 

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