汎用リレーの注意点

左側のゴールドが純正ハザードリレーです。
当然製造廃止部品ですし、同等のものも無いようです。
ゴールドはナイルス製で日本製造、シルバーの「HF312」はインドネシアのナイルス製造になっています。点滅間隔は純正のゴールドは80回/分、シルバーは90回/分と少しだけ速く、作動音も微妙に違います。
同じ大きさ、形なので、もしかしたらそのまま使えるのかと思い、シルバーのリレーを試しに入手してみました。

 

 

リレーの表面に刻まれる文字をよく見ていくと、流用するにはちょっと問題がありそうな事がわかってきます。
私の手元に来てからこれを「解読」してみたのですが、表面には12V用である事や、先ほど記述した一分間に90回カウントする事などリレーのスペック的な事が書かれています。

 

 

そしてこちらはシルバーの反対面。
黄色矢印の部分には「7A」の文字が見えます。

 

 

ゴールドは同じような位置に「14A」の文字が入っています。
おそらくこの数値は許容電流を記載しているようで、ゴールドの純正は「14アンペア」まで使用可能で、シルバーは「7アンペア」までという事の記載なのでしょう。
ゴールドとシルバーはここに違いがあるようです。
他にもゴールドには記載があり、赤矢印部分に「23W-MAX6(32CP-MAX6)」と書かれています。これは23Wのバルブを6つまで使えるという事なのだと思われます。

 

 

シルバーには、「23W-MAX6」の記載は無く、「32CP-MAX6」の文字が刻まれています。これはゴールドでは( )部分に記載された文字です。
調べてみたら、「32CP」は「32カンデラパワーの負荷が必要」という意味で、最低限の電球の負荷の数値を記載しているようです。
リレーにはある程度の負荷が必要のようで、規定以上の負荷がないとリレーは正常に動かない恐れがあるという説明なのでしょう。最近のLED電球は消費電流が少ない事が売りですから、正常に機能しない事もあるようです。
横に付く「MAX6」はやはり同じように接続できる電球の最大数のようです。

 

 

念のため、この車でハザードが点滅している時はどの程度の電流が流れるのか?
ネットに計算方法が掲載されていたので、合計電流を計算してみることにします。

 

 

電球はリヤのウインカーバルブで12Vの23Wが2つ。フロントで同じく23Wが2つ。そしてサイドフラッシャーで8Wが二つ。
合計してみると、1.92アンペア(23w÷12V=1.916A・・ということらしい)が4つ使用されるので7.68アンペア。それに0.67アンペア(8÷12=0.66A)が2つで1.34アンペア。
合計9.02アンペア(これにメーター内の小さな電球分が足される)となります。

 

 

この計算が合っていれば、シルバーの汎用リレーに記載された「7A」では、それを超えてしまう事になります。形や端子が同じだからといって、簡単に流用するのは良く無いようです。
ウインカーリレーとしてならば、片側ずつですから、9Aの半分4.5A程度になると思うので、シルバーの7Aで問題ないと思うのですが、ハザードは左右同時点灯ですから超えてしまいます。
メーカーも許容の大きいタイプを金色、ウインカーに使えるタイプをシルバーとして見た目で分かりやすくしていたのでしょうか。

 

リレーは既にシルバーに交換してしまっています。少し許容範囲を超えてしまっているようですが、実際に使い続けるとどうなるのかパンクを覚悟でしばらく使ってみる事にしました。付けたばかりで長時間作動させた訳ではありませんが、今のところハザードランプは問題なく点滅しています。

 

 

でも許容オーバーとわかって使い続けるのも何なので、今後は、前後どちらかの「S25バルブ」をLEDバルブに変更して(左右2個を換えれば、1.92A×2=3.84A程度低くなる)みようかとも思っています。
そうすれば許容範囲内に収まりそうです。まずは使えそうなLEDバルブがあるかどうかです。明るすぎるランプは雰囲気を壊しそうですから。<2025年11月>

 

 

後日追加。
LED式12Vダブルランプを入手してきて、フロントウインカーのみに装着して作動を確認してみました。レバーを倒してみると、とても明るく点灯したままで点滅しません。
試しにハザードではどうかとスイッチを入れてみたら、こちらはうまく点滅作動します。もしかしてリヤならば・・とシングルバルブLEDを入れて試したのですが結果は同じ。
ウインカーが動かないのでは使えませんから、LED電球を外しノーマル電球に戻しました。
23W部分の電球ですと、例え一か所でもLEDに換えてしまうと、消費電流の変化が大きすぎてリレーが正常に作動しないようです。残念。
<2025年12月>